幸さんから、いま日本映画の「国宝」が人気だと伺いました。それでオンラインで予告編を見て、伝統芸能の方々がどれほど芸に人生を捧げているのかを思い巡らしました。まさに「芸を生きる」ということだと感じました。
最近、私は偶然、日本舞踊を学ぶ機会にも恵まれました。先生は日系三世の女性で、74歳ですが60歳くらいにしか見えません。7歳から踊りを続け、ハワイで師範の資格を取得されたそうです。私は日本舞踊を踊るのは初めてです。一手で扇を返す「要返し(かなめがえし)」の動きには本当に驚きました。手首がねじれそうになるまで、何度も何度も練習しました。
また、引退されたアメリカ人の小児科医の男性にもお会いしました。その方は長年、伝統楽器の尺八を学んでいて、「荒城の月」に合わせて私たちが踊れるように演奏してくださいました。
踊り終えたあと、85歳の節子さんがおいしいおにぎりと梅干しを振る舞ってくださいました。いなり揚げもたくさん食べて、夫のためにもっと持ち帰ってほしいと言ってくださるほど、元気で優しい方でした。
私は他の場所、文化、趣味を持つ人々と出会えることを本当に祝福だと感じています。書くこと、絵を描くこと、踊ることなど、さまざまな形で神さまが私たちを結びつけてくださっているのだと思います。神さまは一人ひとりを独特な存在として創造しました。
子育てもひと段落したこの年代になり、私は自分の好きなことを探し、ありのままの自分を楽しみたいと思っています。それが私の人生の芸術であり、神さまがくださった唯一無二の私として生きる道だと信じています。そして人々と出会い、その人生に触れることで、まるで旅をするように私の世界は大きく広がっていくのです。